在韓被爆者訴訟・長崎地裁を傍聴
6月11日、在韓被爆者チョンナムスウさんの被爆者健康手帳申請却下処分の取り消しを求める裁判を傍聴しました。
チョンさんは25歳の時、広島市で爆心地から2.4㎞の地点で被爆しました。韓国から、昨年の8月11日に長崎県に手帳交付申請書を郵送申請したところ、手帳申請の来日要件にはばまれ、長崎県は申請を却下、国は申請書を返却してきました。
チョンさんは、高齢でしかも歩行できないために渡日は不可能で、そのために郵送での申請をしたのでした。この裁判では、申請のために来日を義務化しているのは、国の誤った法解釈に過ぎない、来日しなくても海外居住地での手帳申請を認めるべきであるということが争点になっています。
チョンさんは、厚生労働省が実施している「被爆確認証交付事業」によって既に「被爆確認証」(被爆者健康手帳の交付が可能な方のうち、健康等の理由で日本国内へ渡航できない方に限ります、というのが交付時の条件です)を取得し、在外被爆者保健医療助成事業によって医療費の助成を釜山で受けています。
つまり、被爆者健康手帳を取得同然であるにもかかわらず、「日本に来なければ手帳はあげませんよ」という国の姿勢は、国の面子を優先し在外被爆者を愚弄した極めて不平等な被爆者援護対策と言わねばなりません。被爆者はどこにいても被爆者であるという被爆者援護法の理念に反するもので到底認めることは出来ません。
これらの裁判とは別に、戦後補償の問題では、戦時中の強制連行に対する損害賠償と謝罪を求める裁判、中国残留孤児による裁判等が相次いでいますが、判決の如何に関わらず戦時中における国家による不法行為に対して真摯に謝罪して、賠償に応じるべきではないでしょうか。
昨年の12月、残留孤児訴訟で、神戸地裁は国の責任と、損害賠償請求を認める判決を下しました。判決文には、「北朝鮮」による拉致被害者への国の支援との差があまりにも大きいことを指摘した内容が盛り込まれています。
安倍さんは、拉致問題をことさら取り上げて、戦時中、戦後も癒えぬ心の傷を負ってきたアジアの人々への賠償、日本人である残留孤児への支援を完全に怠っており、しかも、安倍さんに同調して、拉致問題さえ取り上げておけばといったような、マスメディアの報道のあり方にもこの際、警鐘を鳴らしておきたいと思います。
