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ロバート・キャパ[その生涯と作品]展

ロバート・キャパ[その生涯と作品]展

 長崎県美術館で9月2日まで開催のロバート・キャパ[その生涯と作品]展を見てきました。合わせて、ロバート・キャパの人生と恋愛に焦点を当てたドキュメンタリー映画「CAPA in Love&War」が美術館ホールで開催されるというので映画も みました。

 1913年ハンガリーのブタペストで生まれ、1954年インドシナ戦線に従軍中に地雷に触れ戦死しました。その短い生涯でスペイン市民戦争・日中戦争・第二次世界大戦・中東戦争・インドシナ戦争と5つの戦争を体験し、写真に記録しました。

 キャパという人物はあまりにも有名で名前は知っていましたが、写真を間近にみるのははじめて、どんな写真かとても興味がありました。日中戦争にも従軍して写真を撮っていることや、イングリット・バーグマンやピカソ等との交流があった事など知らないことばかりで、40年間の生涯の密度の濃さに圧倒されました。印象に残った写真の説明文を転載します。

・キャパの仕事全体を通して一貫しているテーマは「全ての戦争は酷似しているものだ」というその普遍性でした。つまり、「戦争は文化の差異など取り払ってしまう“地ならし機”なのだということです。

・第4部 四億の民―中国

1938年1月映画の仕事のために中国へ向かいました。この映画は前年の1937年に始まった日本軍の侵攻に対する中国人の姿を描いたものでした。・・・・・中国で写された写真には、戦争に苦しむ大人たちとともにその陰で最もつらい思いをした幼い子どもたちの姿が数多く写されていました。

キャパ展で展示されている日中戦争関係の写真は23枚ですが、展示されている写真以外の写真とはどんものなのか、また映画は現存するのだろうか、もしあればみてみたいと思いました。盧溝橋事件・南京大虐殺後の中国を克明に撮影しているのではないかと想像するからです。また、特別出品として長崎初公開の写真[被爆した弟を背負う長崎の少年]も展示されています。アメリカ軍の報道写真家ジョー・オダネルが原爆投下後の9月に撮影した写真です。直立不動の10歳ぐらいの少年がおんぶ紐に幼い子どもをおんぶしている写真です。少年の足元には爆死者を焼いて葬るために掘った大きな穴のようなものの一部がみえます。幼子はすやすやと眠っているようにみえますが既に死んでいるようです。弟を葬るためにここまで辿り着いてきたのでしょう。唇をぎゅっとかみ締め、一点を凝視する少年の目にはうっすらと涙がにじんでいるようにみえます。視線の先に一体何があるのか想像するしかありません。写真にそえられたキャプションによれば、“撮影された少年と地点は不明です。・・・・・はだしの少年は焼き場のふちに5分か10分か立っていたでしょう。男たちが近づきゆっくり、おぶいひもを解き始めました。・・・・・・夕日のような炎が静まると、少年はくるりときびすを返し、沈黙のまま去っていきました”と書かれています。やはり、少年の視線の先にあったのは、死者を焼く炎だったのでしょうか。
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