厚生委員会の行政視察
8月28日~31日の日程で、北海道・東京を視察しました。
稚内市は、かつてはニシン漁を中心に水産業で栄え、またロシア・サハリン州との北の玄関口として「日本最北端」の町としても有名です。しかし、水産業の衰退とともに地域経済は疲弊し、昭和50年には人口約55,000人だったのが年々減少し、現在では約41,000人に。
さて、稚内市の視察項目は、(1)子育て支援事業について(2)地域医療の充実についてでした。
(1)子育て支援は、人口減に歯止めをかける意味でも重要な課題として、庁内に少子化対策プロジェクトチームを設置。平成19年度新規事業としては・保育所開放事業・先輩ママの子育て応援団事業・子育て支援セミナー開催、また、保育料の負担軽減措置として、所得に応じた国の保育料算定基準の7段階を、13段階プラス市単独補助にして年間約1,900万円の予算措置を実施しています。
(2)地域医療の充実は、市町村合併で市域が広くなり(四国の1県にも相当するとか)住民の命と健康を守るための市立病院(病床数362床 診療科15)の重要性は増しており、特に医師不足対策は急務となっています。そのために、大学との連携を密にしながら、独自の医師養成・確保対策として、「稚内市医療職員修学金貸付条例」(優秀な医療職員の確保を図ることを目的とした条例・昭和47年3月30日制定・薬剤師、診療放射線技師、看護師等の医療職員確保のために月額4万円から15万円の額を貸し付け、一定の年限市立病院の勤務を義務付ける制度)を改正して医師も対象者に加えることを検討中とのこと、北海道も同じような動きを見せているとのことでした。
長崎市では、現在この様な制度はありませんが(長崎県は既に実施中)、長崎市でも野母崎市立病院が、医師確保が出来ずに人工透析が廃止に追い込まれたことからも、医師・看護師不足は否めず、確保対策としてこの様な制度は、参考になるのではないかと思いました。

礼文町は、人口約3,300人の島で、稚内市から船で渡ります。視察項目は、地域医療の充実についてで、町長と議長、診療所の事務局長や看護師長が私たちの視察に対応して下さいました。
礼文町では「離島における一次医療を守るための地域医療の充実は行政の根幹に関わる課題」と位置付けて、島内に2ヵ所の国保診療所を開設しています。
そのうち国保船泊診療所(医師3名、19床)は、平成14年に総工費約12億円をかけて新築した島の拠点診療所で、島民の命と健康を守る拠り所になっています。
礼文町出身の診療所長を中心に医師確保に向けた取り組みが行われていますが、所長の個人的奮闘や町による行政努力だけでは限界があり、北海道や国の支援が是非とも必要と考えているとの切実なお話がありました。
東京都渋谷区では障害者の就労支援について、現地視察をしました。
訪問したのは、障害者就労支援センター・ハートバレーしぶや(平成15年12月開設)。渋谷区社会福祉協議会が渋谷区から委託を受けて運営、障害者の自立と社会参加、就労の機会の拡大と支援を行うことを目的に、就労や就職後の生活等に関する相談事業等様々な活動を行っています。
現在、国においては、法改正により一定障害者雇用の推進がはかられ精神障害者や知的障害者も法定雇用率(1.8%)の対象になり、また300人以上の企業への法定雇用率クリアーへの対応も厳しくなったことから、障害者にとって就労の機会が拡大している現状がある一方、今後の課題として、企業で働き続けていくためには就労後も励ましや悩み事の相談など、生活全般にわたる継続した支援が求められるということでした。
長崎市にはまだこの様なセンターは1ヶ所もありありません。障害者の就労支援のためには早急な設置が望まれます。あわせて、一般就労への支援だけではなく、福祉的就労、リハビリ・教育的な訓練というとらえ方からの就労支援など障害の実情に応じたきめ細かな対策が求められているのではないでしょうか。
