「教科書検定意見撤回を求める県民大会」に連帯
10月5日、私が会員となっている「自主・平和・民主のための広範な国民連合・長崎」では、「歴史教科書の『集団自決』への軍の命令を否定する教科書検定 意見の即時撤回を求める申し入れ」(下に全文を掲載)を関係機関に送付しました。
9月29日に沖縄県で開催された県民大会は、県民の10人に1人が参加するという本土復帰後最大の県民大会となり、文字通り島ぐるみの闘争となりました。私たちは、沖縄県民の闘いに連帯するために「今何をしなければならないか」を話し合い、とにかく出来ることからはじめようと、今回の申し入れ行動となりました。
10月15、16日には沖縄から200人の大交渉団が知事や県議会議長とともに上京し、福田総理大臣・渡海文部科学大臣に面会することになっていると沖縄県の地元新聞が報道しています。沖縄の人々の思いを真摯に受け止めて「撤回」「記述の修正」にただちに応じるよう求めます。
内閣総理大臣 福田 康夫 殿
文部科学大臣 渡海紀三朗 殿
歴史教科書の「集団自決」への軍の命令を否定する教科書検定意見の即時撤回を求める申し入れ
「沖縄戦における住民の『集団自決』は日本軍が、命令・強制・誘導したものではない。教科書の記述は削除修正せよ。」文科省は、来年度から使われる高校教科書に、このような検定意見をつけた。
沖縄戦の当時、日本軍は住民に2発の手榴弾を配り、1発は米軍への攻撃に使い、失敗した時のもう一発は「集団自決」せよ、と命じた。渡嘉敷島では、米軍が上陸した翌日、住民329人が手榴弾や農具などを使って「集団自決」した。日本軍によって、強制された集団死であった。親兄弟の尊い生命を失い、筆舌に尽くしがたい犠牲を強いられた沖縄県民にとって、このような教科書検定は、到底容認できるものではない。
沖縄県民の度重なる、検定意見撤回の要請にもかかわらず、政府、文科省は何ら誠意を示してこなかった。こうしたなか、9月29日、11万6千人の沖縄県民がついに怒りを爆発させた。沖縄県民10人に1人が結集した「教科書検定意見撤回を求める県民大会」が開催された。この大会は、県議会、市町村議会、労働組合、県婦人連合会、県遺族連合会など22団体の実行委員会と247の共催団体が超党派で開催。「沖縄戦における『集団自決』が日本軍による関与なしに起こり得なかったことは紛れもない事実。県民の総意として国に対し、教科書検定意見が撤回され、『集団自決』の記述の回復が行われるよう求める」とする大会決議を採択した。まさに沖縄県民の怒りが頂点に達した。さらに、高知市議会など、沖縄県外の多くの自治体でも教科書検定意見撤回の意見書が決議されてきた。
こうした検定撤回の世論が渦巻くなか、政府、文科省は重い腰を上げ、沖縄県民をはじめ、国民の声にようやく耳を傾け始めたのです。しかし、政府、文科省は、事実上の記述復活を模索するような動きがある一方で、「検定意見撤回は困難」とし、教科書出版社独自の判断で、訂正申請により事態を沈静化させようとしているのではないか。また、文科省はこの問題で「教科書図書検定調査審議会が決定することであり、理解してほしい」と文科省としての責任を放棄し、審議会を楯に拒否しようとしてきた。この審議会そのもののあり方も問題であるが、審議委員のなかには、現代史でかつ沖縄の専門家がほとんどいないなかで、どうして正しい判断ができるのでしょうか。文科省が審議会を意図的に誘導してきたことは明らかです。
政府、文科省は、これまでの審議会のあり方を抜本的に見直し、沖縄戦での多くの体験者の声を真摯に受け止め、将来にわたり正しい記述がなされるよう指導されることを私たちは求める。さらに、私たちは、今回の教科書検定意見が撤回され、「集団自決」の正しい記述の復活が直ちに行われるよう申し入れる。
2007年10月5日
自主・平和・民主のための広範な国民連合・長崎
代表世話人 藤澤 秀雄

教科書検定意見撤回を求める県民大会を伝える琉球新報号外(9月29日発行) 琉球新報のHPから号外の全文(PDFファイル)が読めます≫
