諫早市高木町で放牧を視察

長崎県は耕作放棄地率(耕作放棄地面積/(経営耕地面積+耕作放棄地面積))が全国1位です。中でも長崎市は県内で重点市町に指定されている7自治体のひとつで、その解消のために政策づくりと具体化が急がれています。そこで、私が着目したのが荒地における牛の放牧です。
今年2月に、長崎市外海地区で繁殖牛を放牧している畜産農家が放牧組合をつくり放牧しているということを知り、現地を調査し3月議会で取り上げ質問しました。その際に感じたことは、イノシシ等の有害鳥獣の駆除、畜産業振興、新たな雇用の場の創出、飼料代の節約等地味ではありますが、成果が出れば長崎市農業にとってもメリットがあるのではないかということでした。
そこで、6月27日、諫早市高木町で始めている放牧について視察しました。飯盛支所で、諫早市・JA・県央農業改良普及センターの職員の方々から、放牧の取り組みの概要について説明がありました。

経過
●平成18年度にイノシシ対策の実施試験を兼ねて放牧がスタート。現在は、草地が整備され、その近くには平成19年度から放牧がスタートし園地造成の進行形の状態です。
成果
●景観の改善、イノシシの棲家の駆除、耕作放棄地の解消、繁殖牛生産の省力化(餌やりの省力化、繁殖率の向上・運動をするので母牛の体力がつく)飼料代の抑制(購入する餌が減る)、中産間地域の所得確保(耕作放棄地での所得確保)等があげられます。
課題
●糞尿など環境面での苦情で地元住民の理解を得られず、実践途上で頓挫した事例があり、地元の理解を得るために農業委員会の役割は大きいものがあります。そのために、農業委員会が地権者や周囲の農家との調整、地元自治会との調整に関われるしくみづくりに取り組んでいるということでした。
今後の計画
●7月に大村・東彼杵・諫早各地区の165戸の畜産農家に呼びかけて、放牧についての研修会の開催が計画されています。放牧に取り組み農家を増やすためです。今日、畜産農家を取り巻く状況は、飼料の高騰等厳しいものがありますが、一方、自給率の向上への国民の農業への関心が高まり、飼料代を安く上げるために耕作放棄地での牧草つくり等耕作放棄地解消が求められていることもあり、放牧を進めていく上でチャンスととらえ成果をあげていきたいとのことでした。
その後、生産者の方が待ってくださっている現地に向かいました。初期投資の問題もありますが、課題を解決しながら意欲的に畜産に取り組んでおられる姿勢に放牧の可能性を感じることが出来ました。
長崎県では、平成19年度から23年度までの期間に「長崎県耕作放棄地解消5ヵ年計画」を策定しています。長崎市でも同様の計画を策定しています。
現場を視察して、行政の取組みの大切さを、改めて感じました。
